2007 Fiscal Year Annual Research Report
希土類金属によるマグネシウムの耐食性向上機構の解明と低環境負荷材料の開発
Project/Area Number |
18560714
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
竹中 俊英 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (60197324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 正博 豊橋技術科学大学, 工学部, 客員教授 (30016597)
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Keywords | マグネシウム / 希土類金属 / 耐食性 / 表面処理 / 化成処理 / 陽極酸化 / 溶融塩電解 / 合金化電析 |
Research Abstract |
希土類金属を用いたマグネシウム材料の耐食性向上を目的として,化成処理と陽極酸化による表面処理を行って希土類金属含有表面酸化層を形成した。得られた表面層の分析を行うとともに,JIS準拠の塩水浸漬試験を行い,得られた試料の耐食性を評価した。また,溶融塩電解法による希土類金属含有マグネシウム金属の直接製造に関する研究を行い,希土類金属の合金化電析が及ぼす影響について明らかにした。 代表的な実用マグネシウム合金であるAZ31の耐食性は,硝酸マグネシウムと希土類金属硝酸塩を同時に含む処理液を用いた化成処理により特異的かつ劇的に向上し,希土類金属の種類によらず耐食性向上効果があることを示した。薄膜X線解析法により新たに希土類金属酸化物を検出し,形成される被膜がマグネシウム酸化物と希土類金属酸化物から構成される複合的な酸化物であることを明らかにした。耐食性向上に関しては,化成処理の前に適切な前処理を行うことによって,耐食性がさらに向上し,処理の再現性も増すことを示した。陽極酸化法によりマグネシウム合金の耐食性が向上することを確認したが,マグネシウムと希土類金属の複合効果は化成処理法に比べて顕著ではなかった。 溶融MgCl_2-NaCl-CaCl_2に希土類金属塩化物を添加した浴で溶融塩電解を行い,希土類金属含有マグネシウム金属の直接電析させた。その際の電気化学的応答と電析状態の直接観察により,微量の希土類金属の共析によって電析するマグネシウム金属の状態が大幅に変化することを明らかにした。このような電析状態の変化はマグネシウム金属電析の電流効率に大きな影響を及ぼし,合金化電析による電流効率向上の可能性を示した。
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Research Products
(4 results)