2006 Fiscal Year Annual Research Report
硫化銅精鉱の酸化酸浸出の促進を目指したマイクロ波加熱処理の開発
Project/Area Number |
18560715
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 秀行 九州工業大学, 工学部, 助手 (90213074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 登実男 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20264129)
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Keywords | マイクロ波 / 黄銅鉱 / 銅精鉱 / 加熱処理 / 浸出 / バイ焼 |
Research Abstract |
本研究では、黄銅鉱を主体とする銅精鉱の均質化および反応性の向上を目的としてマイクロ波による加熱処理をおこない、浸出率の向上を図る。 平成18年度は、産地により構造や組成が鉱石ごとに異なるので、実験に用いる銅精鉱(マムート、エルツベルグ、ロスペラプレス)の性状調査をおこなった。マイクロ波加熱処理との比較のために、電気炉を用いて中性雰囲気、500〜800℃で2時間バイ焼を行い、銅精鉱の構造変化の調査とバイ焼試料の浸出特性を800℃バイ焼のロスペラプレスを用い、塩化銅系溶液と硫酸鉄系溶液を浸出液、浸出温度40〜90℃、浸出時間0.5〜24hで浸出を行い以下の知見を得た。 1.XRDでは、いずれの銅精鉱からも強い主成分のChalcopyrite(CuFeS_2)のピークと、弱いQuartz(SiO_2)のピークが同定された。エルツベルグのみ僅かにBornite(Cu_5FeS_4)のピークも見られた。 2.化学分析では、Cu 20〜36%、Fe 19〜25%、S 22〜30%、SiO_2 4〜9%と産地によって大きな差が見られた。 3.バイ焼したすべての試料で700℃から2θ=29°付近のChalcopyrite(CuFeS_2)のピークの移行が見られた。またBornite(Cu_5FeS_4)のピークも確認できるようになった。バイ焼により硫黄が僅かに揮発しChalcopyriteの結晶構造が変化していることが分かった。 4.塩化銅系溶液では、バイ焼の効果は浸出温度80、90℃の浸出開始から2hまでで僅かに見られた。硫酸鉄系溶液では、バイ焼により浸出率が増加し、浸出温度40℃の時と比べると80、90℃の時の方がバイ焼の効果が大きかった。 5.バイ焼無しの場合では、硫酸鉄系溶液に比べ塩化銅系溶液の方が浸出率は高かった。 6.バイ焼後の浸出残渣のXRDでは、Sのピークが確認できた。
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