2006 Fiscal Year Annual Research Report
双ロールキャスティングによる自動車アルミニウムボディー材の革新的リサイクル
Project/Area Number |
18560717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽賀 俊雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00212134)
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Keywords | ロールキャスティング / リサイクル / 薄板 / アルミニウム合金 / 双ロールキャスター / 直接圧延 / 不純物の無害化 / ヘム加工 |
Research Abstract |
自動車用ボディーシート材として広く使用されているA6016のリサイクル材についても,高速双ロールキャスティングによる延性の向上を調査した.Fe量は,0.18,0.5,0.75,1.Omass%とした.オリジナルのA6016のFe量は0.18mass%であり,リサイクルを想定してこれにFeを添加して上記のFe量とした.全て薄板に鋳造することができた.Fe量が増加したことが原因と思われる表面欠陥は発生しなかった.また,連続1生はFe量が増加するに従い,改善された. Fe量が0.18%と1.0%の鋳造まま材の断面組織の光学顕微鏡による観察結果では,中央部は粒状化しておりその両側(ロール接触面側)がデンドライト組織であることは,AC4CやA6016と同様である. 1mmまで冷間圧延後にT4処理を施し,その後180°曲げ試験を行い表面状態を観察した.Fe量が0.18%から1.0%まで増加した場合も表面にクラックは発生しなかった.断面状態からも180°曲げによりクラックが発生していないことは明らかであった.リサイクル材を自動車のボディーシート材と使用する場合に最も問題となる,ヘム加工時に発生するクラックを防ぐことができる可能性があることが明らかになった.また,鋳造まま材では板厚方向の組織は不均一であったが,冷間圧延とT4処理により不均一は緩和された.また,粗大なAlSiFe系の金属間化合物の晶出は見られなかった.これは,高冷却速度の結果と思われる. 引張試験を行った.Fe量の増加は引張強さと0.2%耐力に影響を与えていないようである.伸びはFe量が0.75%までは20%以上の値を示した.また,Fe量が0.5%のときは0.18%より大きな伸びの値を示した.Fe量が増加による結晶粒の微細化などが影響していると考えられる.
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