2006 Fiscal Year Annual Research Report
速度論モデルに基づく反応蒸留プロセス解析モデルの構築
Project/Area Number |
18560720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 秀樹 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70166370)
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Keywords | 蒸留プロセス / 速度論モデル / 反応蒸留 / 解析モデル / 物質移動係数 |
Research Abstract |
1.速度論モデルへ反応項を導入した解析プログラムの作成 段または充填物の1セグメント毎に熱・物質収支式を解く速度論モデルを用いた解法へ反応速度項を液相バルクへ導入した反応蒸留プロセス解析のためのシミュレーションプログラムを作成し,酢酸エチル合成反応系を例題に,SimandlとSvrcekの平衡論モデルによる解析結果と比較し,近い分離挙動が得られることを確認した。 2.物質移動係数推算モデル式の改良 比表面積が250m^2,350m^2の2種類の金属規則充填物を用いた充填蒸留塔パイロットプラントのアルコール-水系の2成分系,3成分系蒸留実験結果(塔内液組成分布,温度分布)を元に,Bravoらによって提案された気相側物質移動係数相関式とHenriques de Britoらの気液有効界面積の相関式のパラメータを同時に最適化手法により決定した。その結果,充填物の構造の影響は気相側物質移動係数相関式よりも気液有効界面積の推算に影響が大きいことが確認できた。オルダーショウ型蒸留装置(多孔板トレイ5段,7段)を用いた実験結果から,AIChEの気相側物質移動容量係数の相関式について各パラメータの影響を調べたところ,トレイ上の流動条件,Fv値に関する項の取り扱いをさらに検討する必要があることが分かった。 3.反応蒸留解析モデルのための反応系に関する調査 反応蒸留の概念としては,1920年代に均一系触媒によるエステル合成反応への応用が提案されている。その後,1990年代以降,MTBE等のガソリン添加用エーテル合成,不均一系触媒反応に関する研究が多くなり,化学平衡,反応速度のモデルが多く報告されてきた。実験に用いる系について、成分の組み合わせから共沸の有無,必要な実験条件を探索するために文献、データ集を収集した。
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