2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560725
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
船造 俊孝 中央大学, 理工学部, 教授 (60165454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影井 清一郎 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (20017966)
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Keywords | 相互拡散係数 / テーラー法 / クロマトグラフィックインパルス法 / 相関式 / 糖 / アミノ酸 |
Research Abstract |
本研究はガス膨張液体中の拡散係数の測定を目的とした。具体的にはガス膨張液体中の各種溶質の拡散係数を1.動的光散乱法と2.非定常応答法(Taylor法あるいはクロマトグラフィックインパルス(CIR)法)を用いて測定する。そこで、本年度、1.については、高圧用セルを設計・製作した。このセルを用いて、いくつかの溶質について拡散係数を測定したが、未だ十分な信号強度および測定精度が得られていない。次年度、さらにセルを改良し、製作、装置の健全性を確認し、測定を行う。 2.については、GXLをそのまま装置に供給することは難しく、装置の健全性を調べる必要があるため、まず、高密度流体と比較的低密度流体の両者について、各種溶質の拡散係数を測定した。まず、高密度流体の場合として、Taylor法を用い、溶媒(水)のみの場合のアミノ酸、糖類の拡散係数を測定した(論文2報発表)。また、低密度流体の場合として、CIR法を用いて、超臨界二酸化炭素中の脂質(C14:1)およびそのエステルの拡散係数を測定した(論文発表)。Taylor法では、ガスを加圧しない液体(高密度)の場合、溶質の拡散係数を正確に測定できることを確認した。また、超臨界二酸化炭素中(比較的ガスに近い低密度の状態)でも各種溶質の拡散係数を十分な精度で測定可能であることを示した。以上より両端の条件での拡散係数が測定できたことになるので、次年度以降、中間の領域であるGXL中の拡散係数をTaylor法あるいはCIR法により測定する。しかし、予備実験から、この両非定常応答法では、圧力安定性の上から、一部測定不能の領域があることが分かり、種々の系における広範囲な組成のGXLにおいて、動的光散乱法による測定と同一の温度、圧力、溶媒組成下で測定できるか不明である。なるべく広範囲な領域で測定できるよう、さらに装置、特に流路、圧力制御部の改良をはかり、流量の安定性を高め、測定を行う。
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