2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
白川 善幸 同志社大学, 工学部, 助教授 (70262459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 重助 同志社大学, 工学部, 教授 (80104602)
下坂 厚子 同志社大学, 工学部, 実験講師 (70399054)
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Keywords | 水素 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / 化学工学 |
Research Abstract |
アセンブル後の複合粒子の水素吸蔵界面場を調べるにあたり、遊星ボールミルを用いてMg-Ni合金粒子の複合組織を変化させ、水素吸蔵特性を調べた。 MgとNiのモル比が2:1になるように両粉体を粉砕媒体であるSUSボールとともにミル内に入れ、自転周期を300rpmにセットし、5分〜30時間までの20点についてXRD、EDX、BET側定を行い粒子の複合組織構造について調べ、各粒子の水素吸蔵量と水素放出温度を調べた。EDXのマッピング結果より、Ni粒子の表面にMg粒子が引き伸ばされるように付着し、ミリング時間の増加とともにNi/Mg界面で合金化が進行することが分かった。ミリング時間ごとにサンプリングした粒子のXRD測定の結果を解析すると、ミリングの進行にともない始めにMg6Niが生成し、その段階でMg6Ni-Ni複合粒子になった。その後さらにミリングを行うと全体がMg2Ni合金へと移行した。Mg6Niの生成とともに水素吸蔵量が増大し、また水素放出温度は低下することが分かった。水素吸蔵は合金表面での水素分子の解離、Mgとの水素化によってその量が決定し、温度を上げることで水素化物が分解し水素の放出にいたる。したがって、表面での水素の解離しやすさ、合金中への水素の進入・放出経路、水素化物の結合力がキーとなる。今回の結果は、MgとNiの合金化によってMgの酸化が防止されるとともに、解離しやすい構造に変化するためであると考えられる。さらにナノ粒子をアセンブルし、組成と組織構造の最適化により吸蔵量の増加と放出温度の低温化を目指す。
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