2006 Fiscal Year Annual Research Report
複合型トモグラフィー計測システムを用いた懸濁重合反応における相逆転現象の機構解明
Project/Area Number |
18560731
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上ノ山 周 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50233945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁志 和彦 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (20262412)
三角 隆太 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (40334635)
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Keywords | 電気抵抗トモグラフィー / 可視化手法 / 液液分散 / 相逆転現象 / 動的分散挙動 / 懸濁重合反応 |
Research Abstract |
重合反応装置に多用される撹拌槽内における液液系分散の動的挙動を解明するために、トモグラフィー計測手法とリアルタイム高速画像処理システムの2つの可視化手法を用いて検討を行った。液液系の検討を開始する前段階として、今年度は先ず通気撹拌槽を対象として、気泡の分散状態とくに翼周辺の気泡の占有率が、槽全体の撹拌所用動力に直接に関係することを、トモグラフィー計測手法を用いた実測結果から定量的に明らかなものとした。 液液系については、リアルタイム高速画像処理システムを用い、重合反応を伴わない場でのモノマー油滴分散状態の動的分散過程に関する検討から始めて、実際の懸濁重合反応場において液滴径分布を経時的に計測することにより、とくに重合反応の進行に伴う平均液滴径の動的変化に関する知見を得た。 これと併行してトモグラフィー計測手法を用い、液液(水-油)2相系が撹拌槽において初期の分離2層状態から油層が分裂して水層に充分に分散する状態に至るまでの動的挙動を計測し、翼回転数ならびに分散相濃度等の操作条件と分散達成時間との相関関係を得るとともに、油層が分裂し槽全体に分散していく過程を槽内のバルクな流れとの関連において理解可能なものとした。さらには水(分散相)/油(連続相)系から油(分散相)/水(連続相)系となる相逆転現象を、撹拌翼設置高さの突変により生起させ、同現象をトモグラフィー計測手法により捉えることに成功した。 次年度は、これらの成果を踏まえ、より精緻な計測結果を積み上げることにより、重合反応場における液液分散状態の動的挙動の解明を行うとともに、同場における相逆転現象の把握とその機構解明に繋げて行きたいと考えている。
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