2007 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解分光法を用いたマイクロ波加熱による反応促進機構の解明
Project/Area Number |
18560732
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高橋 憲司 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (00216714)
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Keywords | 蛍光異方性 / ミクロ温度 / 分子回転 / 電場 / 活性化エントロピ / 頻度因子 |
Research Abstract |
マイクロ波を照射しながら,ナノ秒の時間分解能で蛍光寿命を測定できる装置を組上げた。この装置を用いて,双極子モーメントの異なる蛍光プローブ分子の蛍光寿命の変化に及ぼすマイクロ波の影響を測定した。溶媒にはグリセロールを用いた。マイクロ波が作る電場により,溶媒分子や蛍光プローブ分子の運動に変化が現れるか検討した。マイクロ波の出力は,20Wから100Wの範囲で行なった。マイクロ波照射により,蛍光寿命は短くなった。このことは,マイクロ波の電場により溶媒分子や蛍光プローブ分子の回転運動が加速されたことを意味すると解釈できる。 また,安息香酸のエステル化反応の反応速度の温度依存性について,マイクロ波過熱と通常過熱で実験を行なった。得られた結果を遷移状態モデルにより解析した。その結果,活性化自由エネルギーはマイクロ波過熱と通常過熱で違いはなかった。しかし,活性化エントロピーが異なった。
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Research Products
(1 results)