2006 Fiscal Year Annual Research Report
水処理における光触媒反応の問題点克服と光触媒反応プロセスの実用化についての検討
Project/Area Number |
18560733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白石 文秀 九州大学, バイオアーキテクチャーセンター, 教授 (90171040)
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Keywords | 化学工学 / 環境技術 / 触媒・化学プロセス / 水質浄化 / モデル化 / 光触媒 / 境膜拡散抵抗 / 溶射法 |
Research Abstract |
1.溶射法により作成した酸化チタン粒子とゼオライト粒子からなる薄膜のキャラクタリゼーション 溶射法により作製した金網上の酸化チタン薄膜の状態を走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、本薄膜は凹凸の大きなアナターゼ型酸化チタン粒子からなり、大きな比表面積を有することがわかった。ゼオライト粒子の分布状態についても観察したが、酸化チタン粒子との区別ができなかった。 2.酸化チタン薄膜を担持した金網の作製と活性評価 酸化チタン粒子とゼオライト粒子を担持した金網を環状路型光触媒反応器へセットし、DNP(2,4-ジニトロフェノール)、メチレンブルーの分解反応実験を行うことにより、1)有機化合物の種類の違い、2)有機化合物の濃度の違い、3)反応液循環流速の違い、4)ゼオライトの口径の違い、5)光源(ブラックライト、殺菌灯)の違い、6)酸化チタンとゼオライトの混合比の違いの分解速度へ及ぼす影響を調べた。その結果、本光触媒はDNP,メチレンブルーのいずれも迅速に分解すること、Langmuir-Hinshelwood型機構で分解されること、液循環流速の増大とともに分解速度も増加するが、より低流速域で境膜拡散抵抗が緩和され、高活性を示すこと、口径は4Åが最良であること、ブラックライトと殺菌灯の分解活性に大きな差がないこと、ゼオライトの添加により分解速度が増大すること、混合比5%が最大活性を示すことが明らかとなった。 4.拡散、吸着、反応の組み合わせ現象に対する数学モデルの構築と解析 反応物の境膜拡散とゼオライトへの吸着を考慮した光触媒反応モデルを構築し、本モデルを実測値へ適用したところ、ゼオライトによる反応物吸着に伴う光触媒分解速度の増加現象をうまく説明することができた。
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