2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温溶融塩スラリーによる炭酸ガス脱吸収に関する基礎研究および反応装置開発
Project/Area Number |
18560735
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺坂 宏一 Keio University, 理工学部, 准教授 (00245606)
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Keywords | 炭酸ガス / 高温溶融塩 / スラリー気泡塔 / リチウムシリケート |
Research Abstract |
高温で液化した溶融塩中でのCO_2含有燃焼ガス気泡の挙動および大きさの推定、コールドモデル反応装置での実験結果をCFDによりシミュレーションした。1.高温溶融塩内に挿入されたガス分散器上での気泡の挙動解明(1)硝酸ナトリウム溶融塩中での気泡生成リチウムシリケートスラリー中でのCO_2の脱吸収は物質移動律速であるため、気液接触面積が総括反応速度に大きく影響する。即ちガス分散器から溶融塩中に分散されるCO_2気泡サイズが反応速度を支配する。一方、リチウムシリケート溶融塩の物性の多くは不明なので、比較的低温で溶融し、物性が既知である硝酸ナトリウム溶融塩を、観察窓付き高温反応器内に仕込み、生成気泡を観察およびサイズ測定を行った。(2)高温溶融塩中での気泡生成モデル常温下で実績のある非球形気泡生成モデルを利用して、高温溶融塩中での生成気泡のサイズを予測した。上記の実測値と計算値との比較により、リチウムシリケートスラリーの未知の物性を解析的に明らかにした。2.循環スラリー気泡塔内の流動・吸収特性の解明スラリーの流動状態およびスラリーの平均循環速度を熱トレーサー法およびガスホールドアップにより測定し、操作因子との関係から設計式を得た。3.CFD数値シミュレーションコールドモデルで用いたエアリフト型スラリー気泡塔内の平均循環速度およびガスホールドアップを、CFDソフトウエア(Phoenics)によってシミュレーションし、実測値との比較を行った。条件によっては不十分な点もあるが、比較的安定した操作条件では気泡塔内の流動を比較的よく予測できた。以上の結果より、リチウムシリケートを吸収剤とした高温溶融塩スラリーによるCO_2ガス回収システムの基本的知見を得ることができた。
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Research Products
(2 results)