2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560736
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
村橋 俊明 福井工業大学, 工学部, 教授 (10329451)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 水管理 / 可視化 / 電流分布 / 複合的観察 / フラッディング / 水滴分布 / 蒸気圧分布 |
Research Abstract |
H18年度は計画に従って燃料電池の空気極の可視化観察と電流密度分布測定が同時観測できるセルを設計・製作し、種々の動作条件下で可視化から得られる水滴分布と電流密度分布との比較を行った。 (1)電流密度分布測定用のセルは可視化セルにおいて実施した微細加工技術を生かし、可視化用のアクリルの流路のリブ部分に0.6mm幅の微細な集電子を16本埋め込む構造をとった。この構造はこれまでに報告されている、集電プレートをセグメント化したものよりも直接にガス拡散層(GDL)に接触できるため、集電プレートのセグメント化の場合に懸念される面内電流の影響を小さくすることが出来る利点を持つ。 (2)このセルを用いてこれまでに電流密度と加湿温度依存性、空気利用率依存性、およびCO濃度依存性を測定することが出来た。また、カソード側のガス流路に沿ってその変化の流路位置依存性を明らかにすることが出来た。 (3)特にCO濃度依存性についてはアノード下流側での電流密度の低下をはっきりと捉えることが出来、可視化における水滴分布の移動とも一致する結果が得られ、さらにCO濃度を変えたときの時間分解データから被毒の電極面内の進行状況を明らかにすることが出来た。この結果は従来の特性データからの推定に比べ、可視化と電流分布の複合的観察は変化を具体的に明瞭に示すことが出来るので、劣化現象や動作条件の最適化に向けてその有効性を示すことが出来たといえる。
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