2006 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラスシリカ担持金属ナノ粒子触媒による選択酸化反応
Project/Area Number |
18560737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福岡 淳 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (80189927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 信弘 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (30223374)
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Keywords | メソポーラスシリカ / ナノ粒子 / 選択酸化反応 / 白金 / 鋳型合成 / 燃料電池 / 水素 / PROX反応 |
Research Abstract |
本年度は、金属ナノ粒子の鋳型合成と構造同定について検討を行った。規則配列した細孔構造をもつメソポーラスシリカ(FSM-16、MCM-41、MCM-48、SBA-15)を担体として、細孔内で金属ナノ粒子を鋳型合成した。金属としては白金あるいはパラジウムを用いて、乾燥水素還元法によりナノ粒子を合成した。この構造解析を、粉末X線回折、走査型・透過型電子顕微鏡、ガス吸着、赤外分光法により行い、細孔径の大きさに対応したナノ粒子が生成していることを確認した。次に、これらを触媒に用いて燃料電池用水素中の微量CO選択酸化反応(PROX)における活性評価を行った。そして、FSM-16またはMCM-41担持白金ナノ粒子が、先行触媒よりもはるかに優れた活性・選択性・寿命を示すことを見出した。PROX反応機構を、一酸化炭素や酸素の同位体トーレーサーを用いた赤外分光法で詳細に調べた。その結果、酸素がメソポーラスシリカ担体上に解離吸着し、担体中を移動して表面OH基を生成した後、Pt上のCOが担体上OH基により求核攻撃されCO_2が生成することが分かった。これは水性ガスシフト型の反応機構であるが、COを攻撃するのは系中で生成する水ではなく、担体表面のOHである。このように、メソポーラスシリカの助触媒効果を分子レベルで初めて明らかにした。メソポーラスシリカの触媒利用については、活発に研究が行われているが、多くの場合、単に大表面積を利用しているだけで、.メソポーラスシリカでなければ進行しない反応はほとんどない。しかし、本年度の研究により、メソポーラスシリカの特異的な触媒促進効果を見出すともに、反応機構を解明することができた。
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Research Products
(6 results)