2007 Fiscal Year Annual Research Report
固体酸化物形燃料電池用Ni-セリア固溶YSZアノードの触媒および電気化学特性
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18560738
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹口 竜弥 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 准教授 (30227011)
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Keywords | SOFC / CeO_2-Y_2O_3-ZrO_2固溶体 / 炭素析出 / Niサーメット / メタン / 内部改質 |
Research Abstract |
Niをハイドロタルサイト構造中に取り込み、その後の処理によってNiを表面に析出させた場合には、Niが高分散状態になり、メタンの水蒸気改質反応において活性の劣化が起こらない。同様に、Niをペロブスカイト構造中に取り込み、その後析出させることにより、メタンのCo_2改質反応に高活性なNi触媒が得られるという報告もある。そこで、昨年度に開発された新規Ni/Y_2O_3-CeO_2-ZrO_2アノードの性能と耐炭素析出能を向上させるために、触媒調整法を検討した。LaNixCo_<1-x>O_3を形成した後に還元処理を行いNi-Co合金アノード触媒を合成した。 XRD測定より、LaNi_xCo_<1-x>O_3の還元によって得られた金属(Ni_xCo_<1-x>)の回折ピークの中で、最もはっきりと現れている(111)面のピークから算出したd値は、xの増加に伴いd値は直線的に減少した。このことからNi-Co合金が形成されたことが確認された。XRD, TPR測定より、Co^<3+>もNi^<3+>と同様に、2段階の還元(Ni^<3+>→Ni^<2+>→Ni^0)によって、Ni-Co合金が生成したことがわかった。 本研究の結果、LaNi_xCo_<1-x>O_3前駆体は1000℃で還元すると、ペロブスカイト構造が完全に壊れ、Ni-Co/La_2O_3として存在するようになることがわかった。Ni-Co合金は、SOFCアノードとしての触媒活性をもった。このアノード触媒はCo含有量が少ないほど電流密度が高くなった。 今後のNi/Y_2O_3-CeO_2-ZrO_2アノード触媒合成への指針が得られた。
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