2006 Fiscal Year Annual Research Report
ソルボサーマル法調製ナノ微粒子上の特殊な酸化機能を持つルテニウムオキソ種の設計
Project/Area Number |
18560739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 成一郎 京都大学, 工学研究科, 産学官連携研究員 (00027898)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 環境材料 / 水質汚濁防止 / 大気汚染防止 / 酸化反応 |
Research Abstract |
ソルボサーマル法により、粒径2nmのセリアコロイド(CeO_2)を調製した。手順としては、金属セリウムを2-メトキシエタノールに加え、オートクレーブにより250℃で2時間反応させた。このセリアコロイドを凝集させるためにNaOH、NH_4HCO_3、(NH_4)_2CO_3,NaHCO_3,Na_2CO_3およびNH_4OHを用いた。用いる凝集剤によってセリアコロイド凝集体の形状が大きく異なり、Na_2CO_3、NH_4OHの場合にはミクロ孔が多く存在し、(NH_4)_2CO_3,NaHCO_3の場合にはマクロ孔が、そしてNaOH、NH_4HCO_3の場合には4nmの均一分布のメソ孔が生成した。これらのセリア凝集体に対してRuをホルマリン還元法で2wt%担持して、これを触媒としてベンジルアルコールの酸化をモデル反応として行った。NH_4HCO_3、NaHCO_3、(NH_4)_2CO_3を用いて凝集させた触媒の活性は、硝酸セリウムから従来の沈殿法で調製した触媒と比べて格段に高い活性を示した。各触媒上の酸化ルテニウムの昇温還元、XRD観察、赤外スペクトル観察によれば、高い酸化活性を示す触媒のルテニウムは高度に分散しており、明確なルテニウムオキソ結合(Ru=0)を持つことがわかった。2nmという極めて小さいセリアコロイドを利用できたことが高い活性のルテニウム触媒を得ることが出来た原因であり、セリア担持ルテニウムについては本研究の初期の目的が達成されたことになる。サマリウム、テルビウム、プラセオジウムなどセリウム以外の他の希土類について検討したが、これらについてはルテニウムオキソ種生成の可能性は認められなかった。
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