2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソルボサーマル法調製ナノ微粒子上の特殊な酸化機能を持つルテニウムオキソ種の設計
Project/Area Number |
18560739
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 成一郎 Kyoto University, 工学研究科, 産学官連携研究員 (00027898)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 環境材料 / 水質汚濁防止 / 大気汚染防止 / 酸化反応 |
Research Abstract |
本研究は申請者らが見出した、固体系では極めてめずらしいRu=0をもつRu種を効率よく設計し、その触媒機能を開発することが目的である。Ru=0種を作るセリア(CeO_2)担体の調製には本研究室特有の手法であるソルボサーマル法を適用した。また、セリア以外にもRu=0種を生成する担体の検索も行った。 金属セリウムを2-メトキシエタノール中でソルボサーマル反応させることによって得られたセリアは粒径2nmであり、従来例中で最小のコロイド状超微粒子である。NaOH水溶液でコロイド溶液を凝集させて得られたセリアは、硝酸セリウムから沈殿法で調製したセリアよりもはるかに高い酸素放出能を示した。この高い酸素放出能を有したセリアにRuを担持した触媒には、ベンジルアルコールのベンズアルデヒドへの酸化に極めて高活性なRu種が多量に存在した。ソルボサーマル法で合成した超微粒子セリアが高活性Ru種を設計する上で極めて重要な役割を果たした成功例である。また、超微粒子セリアコロイドから凝集体を作る際の凝集剤の種類、およびそれらの濃度を変化させることにより、凝集体の細孔の状態を自在に制御できた。細孔の制御によって担持Ru種の分散状態、ひいてはその酸化活性の制御が可能である。 セリア以外にRu=0を合成できる担体を検索した。アルミナ、ジルコニアに加え、Mn、Fe、Co、Ni、Cuなどの第一系列遷移金属、およびY、La、Pr、Tb等の希土類などである。結論として、これ以上Ru=0を形成する系は得られない。このことはRu/CeO_2の特異性をさらに強調するものであり、今後この系は種々の有益反応に適用できるであろう。本研究によりRu/CeO_2の将来性がおおいに期待されるという結論が得られた。
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