2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゼンの気相接触酸化によるフェノールの合成触媒の開発
Project/Area Number |
18560740
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
熊谷 宜久 Kobe University, 工学研究科, 技術員 (60437457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 覚 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00156126)
市橋 祐一 神戸大学, 工学研究科, 助教 (20362759)
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Keywords | フェノール / ベンゼン / ゼオライト / 銅触媒 / 難酸化反応 |
Research Abstract |
ZSM-5ゼオライト中に導入したCu^<2+>イオンの状態を,電子スピン共鳴分光法を用いて測定した。Cu^<2+>のスペクトルの平行成分から,Cu^<2+>の配位状態にsquare pyramidalとsquare planarの2種類が存在することがわかった。このCu^<2+>イオン種は,Cu/HZSM-5触媒の焼成温度を変えることで,その割合が変化することがわかった。ESR強度およびベンゼンの酸素酸化反応によるフェノール収率の焼成温度の依存性を検討した。その結果,Cu^<2+>square pyramidal種の焼成温度依存性とフェノール収率のそれが良く対応しており,Cu^<2+>square pyramidal種がフェノール生成の活性点であること強く示唆する。Cu^<2+>square pyramidal種が最も多く生成する触媒を用いて,高温排気による還元挙動をCO吸着によるCu^+の生成量から評価した。Cu^<2+>square pyramidal種が最も多く生成する触媒中のCu^<2+>種は,容易にCu^+に還元され,還元されたCu^+の量も最も多くなった。これは,Cu^<2+>square pyramidal種が高い酸化・還元能力を有することを示している。Cu^<2+>が還元され,Cu^+が酸素分子を活性化しベンゼンを酸化して効率的にフェノールを生成するのであろう。XANESおよびXAFS測定から,Cu^<2+>は孤立したCu^<2+>種であることが確かめられた。Cu^<2+>の酸化還元能を高めることでフェノール生成活性が増加することがわかったので,Cu/HZSM-5触媒に,添加物を加え,酸化還元能を制御することを試みた。検討した結果,アルカリ金属やTiを添加することで,Cu^<2+>の酸化還元能が増大し,フェノール生成活性がさらに増大することがわかった。HZSM-5上に分散したCu^<2+>の近傍にアルカリ金属イオンあるいはTiOxが存在することで,Cu^<2+>の酸化還元能が高まるものと思われる。
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