2006 Fiscal Year Annual Research Report
多糖被覆磁性ナノ粒子を担体とした固定化酵素によるキトサンオリゴ糖の生産
Project/Area Number |
18560746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
市川 創作 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (00292516)
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Keywords | キトサン / オリゴ糖 / 固定化酵素 / 磁性ナノ粒子 / バイオリアクター / 反応・分離工学 / 化学工学 / ナノバイオ |
Research Abstract |
ナノサイズの多糖被覆磁性粒子を酵素キトサナーゼの固定化担体として固定化酵素を調製し、これを利用して高い生理活性を有するキトサンオリゴ糖の5糖と6糖を効率的に生産する手法の開発を目指して検討を進めている。磁性ナノ粒子を多糖で被覆することで、酵素をより高い固定化密度で磁性粒子に安定に固定化すると共に、担体のナノサイズ化により物質移動抵抗を著しく低減できると考えられる。このため、中間生成物であるキトサンオリゴ糖を高い収率で効率的に生産できると期待される。また、固定化担体が磁性を有するため、固定化酵素を磁力により回収し、再利用できると期待される。研究初年度にあたる平成18年度は、多糖被覆磁性ナノ粒子を担体とした固定化キトサナーゼ調製に必要な基礎データおよび基礎技術の集積を目的として検討を行った。その結果、平均粒子径約200nmの酸化鉄磁性ナノ粒子をアミロースにより被覆修飾したものを酵素固定化担体とし、これに酵素キトサナーゼを多点結合法により固定化することができた。固定化操作時の酵素濃度が低い条件では、酵素の固定化率がほぼ100%となり、効率的に酵素を固定化できることがわかった。また、担体である磁性ナノ粒子の乾燥重量の40%に相当する量の酵素を固定化できることがわかった。通常の磁性ナノ粒子は酵素の固定化に利用できる官能基を有していないため、酵素の固定化量が一般に極めて低いが、本研究で行った様に磁性ナノ粒子を多糖で被覆し、その水酸基を活性化して酵素と多点で結合させることで、多くの酵素を固定化できることが明らかになった。
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