2008 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性ポリマーブレンド多孔質膜の内部構造制御とバイオプロセスへの応用
Project/Area Number |
18560748
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 孝明 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (00217043)
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Keywords | 生分解性ポリエステル / ポリマーブレンド / 相分離法 / 多孔質 / 分離膜 |
Research Abstract |
ポリ乳酸やポリカプロラクトンなどの生分解性ポリマーは,環境中及び生体内で分解されることから,近年ますます,注目されるようになってきている。本研究ではポリ乳酸-ポリカプロラクトン-ブレンド多孔質膜を出発点として,新たな生分解性ポリマーブレンド多孔質膜の作製法を開発し,そのバイオプロセスへの応用を目指した。多孔質体の構造制御については海外研究協力者の米国テキサス大学工学部教授D.R.ロイドの理論的サポートを受けながら,バイオセパレーションへの応用と再生医療を指向した細胞足場材料の開発を行った。研究代表者の田中は生分解性ポリマーブレンド多孔質膜を相分離法にて作製し,その構造と分離特性の制御法について検討した。ポリ乳酸やポリカプロラクトンなどの生分解性ポリマーをブレンドして有機溶媒に溶解し,その溶液を冷却または非溶媒への浸漬により,相分離と固化を行い,多孔質構造を形成させた。ブレンド比,ポリマー濃度の影響などの相分離温度や多孔質構造への影響について検討を行った。作製した多孔質膜は現有の濾過装置にて濾過抵抗及び粒子捕捉性能を測定した。多孔質膜の内部構造は割断後,共同利用の走査型電子顕微鏡にて観察した。連携研究者の谷口は動物細胞の生分解性ポリマーブレンド多孔質膜内での増殖実験を行った。最終年度にあたり,研究代表者の田中は平成18-20年度の研究の総括を行った。(1)多孔質膜の内部構造の制御と分離膜への応用については,日本膜学会誌「膜」に総説論文として,(2)ポリマーブレンド溶液の相分離特性と細胞足場材料への応用については,Desalination誌に原著論文として,(3)多孔質化を用いた機能性生分解性高分子材料の開発と応用に関する解説を日本生物工学会誌に解説論文として,それぞれ発表した。
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