2007 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカルによるタンパク質構造変化を利用した新規抗酸化性評価法
Project/Area Number |
18560754
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
寺嶋 正明 Kobe College, 人間科学部, 教授 (30172092)
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Keywords | 抗酸化性 / 評価法 / 食品機能性 / タンパク質 / 構造変化 / レーダーチャート / ヒドロキシラジカル / 次亜塩素酸イオン |
Research Abstract |
平成18年度に考案した抗酸化性をミオグロビンの構造変化を利用して測定する方法、および3つの異なるラジカルに対する抗酸化性をレーダーチャートに表す方法の適用性を検討するために、平成19年度は、PETボトルで市販されているお茶飲料、紅茶、日本茶、烏龍茶などに適用して、本方法の有用性を検討した。PETボトル飲料としてはおーいお茶、ヘルシア緑茶、黒烏龍茶、蕃爽麗茶、フラバン茶をもちい、ティーバックのお茶として、緑茶、リプトン紅茶などを用いた。また、、台湾製の烏龍茶も使用した。これらの結果をポリフェノール、カテキン、エピガロカテキンがレートなどの標準抗酸化性物質と比較検討した。 ポリフェノールはDPPH、次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルの3つのラジカルに対して比較的高い抗酸化性を示した。カテキンやエピガロカテキンでは次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルに対する抗酸化性はDPPHに対する抗酸化性に比べると小さかった。 市販のお茶飲料の示す抗酸化性パターンはその主成分であるポリフェノールに類似したパターンであった。また、高濃度で茶カテキンを含むヘルシア緑茶は5倍に希釈した試料で通常のお茶と同じ抗酸化性強度を示すことがわかり、本方法は定量的にも優れた方法であることが示された。 以上のように、本研究で確立したミオグロビンタンパク質の構造変化を利用した方法は定量的に次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルに対する抗酸化性を評価できることが実証された。また、従来法であるDPPHラジカルに対する抗酸化性とあわせて、レーダーチャートに表示することで測定試料の抗酸化性の特徴もあわせて総合的に評価できることが明らかにされた。今後、種々の食品成分に適用することで、簡便に抗酸化性を示す食品をスクリーニングできると同時にその特徴も明らかにできると期待される。
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