2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560758
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 哲彦 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (10377806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 忠繁 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40273271)
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Keywords | 数値シミュレーション / 複合材の不確定性 / フラッタ限界値 / ウエーブレット変換 |
Research Abstract |
初年度として、これまでの確率要因を構造解析に含んだ研究を調査しさらにその展開を検討した。そのひとつとして、航空宇宙の分野で構造材として用いられる複合材料が、軽量にして高強度である炭素繊維複合材を筆頭に、今後さらにその利用が拡大することが見込まれているのに対し、複合材料の実構造適用に障害となっている要因が製造の品質管理と信頼性にあることがクローズアップされた。複合材料の信頼性を左右する不確定性の関与について、理論的取扱を検討し、実製造品における信頼性の定量的評価に結びつけることが求められている。不確定性の評価が定量的になされることが可能となれば、複合材を実構造へ適用するときの信頼性評価が明確になり、信頼性を確保した設計効率の飛躍的な向上に結びつく。したがって、この複合材の強度解析において材料パラメータの不確定性が積層板など、構成された複合材に対しする影響を検討し、複合材強度のバラツキの評価およびその制御を解析的に行なう手法を模索した。具体的には、ガラス繊維複合材料の剛性値と座屈特性実験について数値シミュレーション解析を行い、実験データとの比較を行った。その結果、不確定性を組み込むパラメータは、複合材板において製造上の板厚精度にある空間的なブロックについてガウス分布をもって考慮することにより、座屈強度の数値シミュレーションが実験結果をよく表すことを明らかにした。 また、複合材構造のほかに、構造の剛性や構造減衰率のバラツキが大きく結果を左右することが予想されるフラッタ解析についても、その不確定性をどのように取り込んでいけばよいかを検討した。この問題は、線形解析においては複素固有値問題となり、そこに含まれる構造パラメータの不確定性の影響は単純ではない。この解析検討に関連して実用上重要な問題であるフラッタの推定精度の新たな手法を提案し、実際の実験値との比較検討を行なった。
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