2006 Fiscal Year Annual Research Report
パルスデトネーションエンジンのための流路直交型起爆法の研究
Project/Area Number |
18560759
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
遠藤 琢磨 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90232991)
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Keywords | エンジン / デトネーション / 起爆 / 矩形管 / 障害物 |
Research Abstract |
平成18年度は、燃焼器と排気チェンバーを製作し、燃焼器内の可燃性混合気を静止させておいて、その起爆特性を調べた。燃焼器は六面体で、そのうちの一面を隔膜を介して排気チェンバーに接続した。燃焼器には、内部のガスを排気した後、ミキシングタンクで予混合した可燃性混合気をバルブ操作によって常温・常圧の条件で充填した。燃焼器の側面にスパークプラグを設置し、可燃性混合気に点火した。燃焼器の上面に圧力変換器とイオンセンサーを取り付け、圧力波と燃焼波の伝播特性を調べた。燃焼器の下面には「すす板」を設置し、発生したデトネーションの波面構造を調べた。 実験では、燃焼器の上下面あるいは片面のみに起爆用障害物となる起爆プレートを取りつけ、起爆プレートの長さ、高さ、間隔を支配パラメータとして変化させた。また、実験で使用した燃料は水素、酸化剤は酸素で、これらをアルゴンで希釈し、アルゴンによる希釈率も支配パラメータとして変化させた。実験の結果、起爆プレートの存在がデトネーションの起爆を促進することが明らかとなった。また、起爆プレートの長さ、高さ、間隔は、いずれも起爆特性に影響し、特に、側壁近くの起爆プレートの存在が起爆特性に大きな影響を与えることが明らかとなった。しかしながら、水素-空気混合気を起爆させることはできなかった。 上記の結果を受け、燃焼器の幅を2分し、片方を副燃焼室とし、これらの隔壁に開口部を設け、副燃焼室から既燃ガスのジェットを起爆プレートの存在するもう片方の燃焼室に吹き込むことを試みた。この高温ジェットの吹込みにより、未だ水素-空気混合気を起爆させるには至っていないものの、デトネーションの起爆特性は改善された。これらの成果は、平成19年3月に開催された衝撃波シンポジウムにおいて発表した。
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Research Products
(1 results)