2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560761
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
谷澤 一雄 Kinki University, 生物理工学部, 教授 (90114553)
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Keywords | インフレータブル / アンテナ反射鏡 / 宇宙用鏡面 / 高精度鏡面 |
Research Abstract |
科学観測に使用される周波数が30GHz〜45GHzの宇宙用の10m径鏡面は0.3〜0.5mmrms程度の高い面精度が必要で、これに適合する鏡面構造として外側を三角形ケーブルネットで覆った風船膜構造を提案した。高精度に製作されたケーブルネットに張力を与えて全体形状の精度を出し、各三角形ファセット間を形状寸法精度の出難い柔軟な電波反対射膜で覆った低コストで高精度な宇宙用鏡面である。この鏡面作成に必要なケーブル長さ誤差は10μmが必要となる。 昨年度は、ミクロン単位の高精度なケーブル製作装置を作り上げ、様々なケーブルをつくり、その材料特性を測定し、鏡面実証部分モデルに適したケーブル(T29-400d)を選定した。 今年度は、上記ケーブル製作装置を使い高精度ケーブルを製作し、これとプラスチック鏡面と結合ノードを組み合わせて開口径480mm、焦点距離448mmのケーブルネット付き膨張膜鏡面の実証部分モデルを設計、製作した。あわせて、この鏡面部分モデルに一定の圧力(1〜5気圧)を与える加圧装置、及び次年度鏡面測定精度確認用の鏡面測定ジグを設計、製作した。 さらに今年度は、三角形ケーブルネットで覆った風船膜鏡面をすべてケーブルで近似する手法を使って、様々がな圧力下での鏡面変形を詳細に解析し、膜張力の分布や鏡面精度を解析した。その結果、初期の近似計算で得られた、この構造の高精度鏡面特性を再度明らかにすることができた。
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