2006 Fiscal Year Annual Research Report
掘削工事にともなう泥質堆積物の有害物質溶出挙動特性に関する研究
Project/Area Number |
18560782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Railway Technical Research Institute |
Principal Investigator |
太田 岳洋 財団法人鉄道総合技術研究所, 防災技術研究地質, 主任研究員 (50425998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 敏文 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90301944)
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Keywords | 土木環境システム / 地球化学 / 応用地質 |
Research Abstract |
工事誌などの資料を調査し、建設工事で泥質堆積物を対象とした掘削残土処分地の位置を確認し、処分地浸出水の水質データを整理した。既存の建設工事を対象に泥岩溶出試験データの収集・整理を行った。また、バッチ式溶出試験およびカラム式溶出試験の装置の準備を行うとともに、泥質堆積物試料の一部を採取し、予備試験を行った。結果は以下のとおりである。 (1)既に施工されたトンネル工事を対象に、工事誌などに基づく資料を調査し、泥質堆積物を対象とした掘削工事の実績、工事時の諸問題、残土処分地の位置などを整理した。泥質堆積物を掘削対象とした工事において、環境等に関わる問題としては水酸化鉄の沈殿、酸性水の湧出、バクテリアによる汚染等があることがわかった。また残土処分地の位置が明示された工事は少なく、10工事程度であった。 (2)泥質堆積物が主な掘削残土である残土処分地からの浸出水水質の経時的な変化を整理した結果、大局的にはpHの低下にともなって電気伝導率が増大する傾向が認められた。また、各イオン濃度の変化は電気伝導率とほぼ同様の傾向を示すことがわかった。 (3)建設工事の対象となった泥質堆積物試料のバッチ式溶出試験の結果、試験初期にpHが低下し、日数が経過するに従って一定値に収束する傾向が認められた。また、カラム式溶出試験では試験開始10日前後まではpHが上昇し、その後一定値に収束する傾向が見られた。 (4)バッチ式およびカラム式溶出試験の結果について、速度論を考慮した熱力学解析を用いて再現を試みた。熱力学解析を行うことにより、試験結果をほぼ再現できることがわかった。
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Research Products
(4 results)