2006 Fiscal Year Annual Research Report
放射線架橋による温度応答性ポリペプチドのナノ粒子化及び薬剤徐放特性の解析
Project/Area Number |
18560803
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
古田 雅一 大阪府立大学, 理学研究科, 助教授 (40181458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 修一 大阪府立大学, 産学官連携機構, 教授 (00142175)
原 正之 大阪府立大学, 理学研究科, 教授 (50344172)
岡元 孝二 九州工業大学, 生物化学, 教授 (40122618)
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Keywords | ナノ材料 / 感温性 / ポリペプチド / 放射線架橋 |
Research Abstract |
生体内の結合組織を構成する弾性タンパク質、エラスチンの基本構造グリシンー バリンー グリシンー バリンー プロリンの繰り返しアミノ酸配列から成るバイオエラスチックポリペプチドは、エラスチンと同様の弾力性を有し、体温付近の温度領域において凝集する性質を持つ。今年度はこの基本配列に疎水性アミノ酸フェニルアラニンと共にカチオン性のグルタミン酸を導入した荷電性を持つグルタミン酸を導入したPoly {(GVGVP)(GVGFP)(GEGFP)(GVGVP)(GVGFP)(GFGFP)}、について濃度、昇温速度、撹搾速度、pHなどの諸条件を種々検討し、下限臨界温度(LCST)以上の温度における安定したナノ粒子化条件を求めた。その結果、7mg/mlの水溶液を0℃からLCST以上の温度42℃まで30分間かけて昇温させた場合に効率よく100nm未満のナノ粒子が得られることを動的光散乱法により確認した。またDPHを用いた蛍光強度の測定からナノ粒子化に伴い、粒子内に疎水的な領域が増加していることも確認できた。得られたナノ粒子けんだく液についてLCST以上の温度条件下で^<60>Coガンマ線照射を行ったところ、乳化剤などの粒子化試薬なしにナノサイズの均一なナノ粒子を得ることに成功した。この粒子はLCST以下でも安定で、電子顕微鏡(走査型、透過型)により球形のナノ粒子が生成していることを確認した。この粒子に対して抗がん剤として汎用されているシスプラチンが担持されることを確認し、現在徐放特性について検討中である。
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