2007 Fiscal Year Annual Research Report
放射線架橋による温度応答性ポリペプチドのナノ粒子化及び薬剤徐放特性の解析
Project/Area Number |
18560803
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
古田 雅一 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 准教授 (40181458)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 修一 大阪府立大学, 産学官連携機構, 教授 (00142175)
原 正之 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (50344172)
岡元 孝二 九州工業大学, 生物化学, 教授 (40122618)
|
Keywords | ナノ材料 / 感温性 / ポリペプチド / 放射線架橋 |
Research Abstract |
本研究においては、一定温度以上にすると凝集・微粒子化するエラスチンの基本構造GVGVPを有する感温性ポリペプチドの粒子化過程とガンマ線架橋による粒子化と抗ガン剤の担持及び徐放に加え、放射線照射前後の構造変化について検討した。5mg/mlのポリペプチド((GVGVP)_<251>)水溶液に加え、フェニルアラニン、グルタミン酸、を含むポリペプチド水溶液について、0℃まで冷却した後42℃まで昇温速度(slow heating、 fast heating、 heat shock法)を変化させて凝集させ、名の粒子の形成条件について検討したところ、昇温速度変化にかかわらず一定の粒子化が見られたが、円二色性分光法により得られたスペクトルからType IIβ-turn構造の形成が後の放射線照射による安定なナノ粒子生成に不可欠である可能性が示された。実際((GVGVP)_<251>)水溶液の場合にはheat shock法で作製した場合のみ放射線量の増加に応じて150nm程度の大きさの架橋粒子が定量的に得られることを動的光散乱法、電子顕微鏡により確認した。この粒子の内部についてはガンマ線架橋後もType IIβ-turn構造が維持されていることも円二色性分光法により確認した。得られた架橋微粒子に抗がん剤(メトトレキサート)を担持させ、PBS中に徐放させると、約8割の薬剤が短時間で徐放され、残りの2割が徐々に徐放された。グルタミン酸を含むポリペプチドについては逆にslow heatingにより安定な放射線架橋ナノ粒子が得られ、負電荷を持つ、抗がん剤の徐放性について有望な結果が得られた。
|