2008 Fiscal Year Annual Research Report
コニカルミラー光共振器を利用した薄ディスク太陽光励起固体レーザー
Project/Area Number |
18560812
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
遠藤 雅守 Tokai University, 理学部, 准教授 (60317758)
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Keywords | 光共振器 / コニカルミラー / 太陽光励起レーザー / セラミックYAG |
Research Abstract |
本研究は,太陽光励起固体レーザーに薄ディスク型媒質と本研究で提案する独自のConical-toroidal反射鏡型光共振器を組み合わせ,簡素で合理的な構造を持ちつつ高効率,高ビーム品質の発振を可能にするシステムを提案,実証し,宇宙における太陽エネルギー利用を推進するものである.本年度は昨年度に引き続きCr/NdコドープセラミックYAGの特性を評価する研究を行い,引き続いてレーザー発振試験を行った.レーザー媒質特性計測は,YAGレーザー共振器中に供試体を挿入,太陽光で励起してレーザー出力の変化を計測するDouble Rigrod法を採用,太陽光励起と808nmのNd直接励起でのセラミックYAG媒質の増幅特性の違いを比較した.その結果,Cr濃度0.1%,3%の両サンプルで太陽光励起の場合,808nm励起に比べ飽和強度の増加が観測された.原因についてははっきり分かっていない.一方,実用化において重要なCrからNdへのエネルギー移乗効率を計測し,0.1%Crのサンプルで88%,3%Crのサンプルで67%という値を得た.これらの値はかつて測定されたことが無く本研究が貴重な先例を提供する(論文は現在投稿中).レーザー発振試験は3%Crのサンプルを用いて試みたが,発振は実現しなかった.本研究で提案したConical-toroidal反射鏡型光共振器はレーザー媒質をその外部に置いたときには容易に発振したが,レーザー媒質をミラーに載せたときはドーナツ形状の同心度,エッジ面の並行度が波長オーダーでなくては共振が成立しないことが判明した.これを補償するために中央のコニカルミラーを独立して可動とした新たなアライメント機構を組み込んだがやはり発振は出来なかった。レーザー媒質研磨法の見直し,レトロリフレクター構造の採用によりレーザー発振が実現するものと見込まれる.
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Research Products
(1 results)