Research Abstract |
円錐形状浮体の改良をおこない,波の運動エネルギーを位置エネルギーに変換することで,装置中央部の穴にプロペラと導水羽,発電機を連結させた発電実験用タービンを設置し,発電を可能にする波力発電装置の開発を行った.波力発電装置開発にあたり,波力発電装置のプロペラと導水羽の組み合わせにより,発電装置の回転数とトルクを求めることで,効率の良い発電方法を考えた. 実験は,円錐形状浮体送水実験用送水枡(縦O.92m×横1.82m×高さ0.8m)に発電実験用タービンを接続し,トルク計,回転計,負荷を掛けるブレーキ,発電機を取り付けた.送水枡に送水用ポンプにて水を流入させ,測定水位差を替えて各水位差で負荷を変化させ,回転数とトルク出力を連続記録した.また,浮体下部のホースに電磁流速計(2方向)を取り付け,同時に流速も記録した,プロペラの枚数,導水羽の枚数をそれぞれ変化させて実験を行った. 本研究によって得られた主要な実績下記に示す. (1)導水羽10枚でプロペラ10枚と5枚の場合を比較すると無負荷の場合,プロペラ5枚の方が全てのケースにおいて流速,回転数は大きく,トルクの数値は小さくなったが,ブレーキのみの負荷と負荷2の場合,プロペラ10枚の方が水位15〜20cmにおいて回転数は大きくなった. (2)プロペラ10枚と5枚では,プロペラ5枚の方が通水性に優れ,水が流れやすいことがわかる.また,低水位においては導水羽10枚でプロペラ10枚の方が,効率が良いことがわかる. (3)水位15〜35cmにおいて回転数で比較すると,最も効率の良かったのは導水羽10枚でプロペラ5枚のケースで,最も効率の悪かったのは導水羽なしでプロペラ10枚のケースとなった. (4)今年度は発電装置全体の構成を検討しながら改良し効率を求めた.以上の結果を踏まえ実海域で実験を行う計画である.
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