2006 Fiscal Year Annual Research Report
自動サイクロトロン共鳴による電子ビーム加速と電力変換システムへの応用
Project/Area Number |
18560815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
坂本 慶司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (90343904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日井 敦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70354636)
高橋 幸司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70354644)
南 龍太郎 国立大学法人筑波大学, プラズマ研究センター, 準研究員 (70370476)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 自動サイクロトロン共鳴 / ミリ波帯マイクロ波 / 電子ビーム加速 / ジャイロトロン / 電力変換 |
Research Abstract |
平成18年度は、主に実験系の設計計算、および装置の整備、製作を行った。 まず、実験系で重要なミリ波帯マイクロ波発振源の調整実験を行った。その結果、0.5メガワットレベルの電力で効率約60%を実証した。さらに、導波管を用いた約40mクラスのマイクロ波伝送系で伝送効率91%を得た。電力変換システムは、直流電源からマイクロ波への変換系、マイクロ波による伝送系、マイクロ波から直流電力への変換系で構成される。このうち、今回発振と伝送系までの系で総合効率約55%を達成した。伝送された周波数は、周波数測定用フィルタにより170GHzの単一周波数であることを確認した。これは、電子を効率よく加速する上で必要な条件である。 電子加速系は、磁場発生系、加速管等で構成される。加速管の中は、電子を発生させ、加速するために高真空を保つ必要がある。一方、マイクロ波を導入するためには、セラミックの真空封じ窓が必要であるが、その大電力マイクロ波透過窓として、石英板を用いることとした。石英には種々のグレードがあり、それぞれ微妙に異なるマイクロ波特性を示す。反射なしにマイクロ波を導入するためには、石英の正確な誘電率を知る必要がある。そこで、用いる予定の石英のサンプルを用い、ファブリペロー型共振器による誘電率測定を行った。その結果、周波数170GHzにおいては、誘電率3.62であることを同定した。これより、真空封じ窓として反射をゼロとするために、厚み2.780mmの石英窓を用いることとした。磁場発生系では、超伝導型ソレノイドコイルの磁場測定を行い、7Tまでの磁場発生を確認した。170GHzマイクロ波に対応する磁場はドップラー効果を考慮して約3.5Tであるため、十分な磁場である。さらに、170GHzミリ波による電子加速のシミュレーションを行い、加速管形状の最適化を進めた。
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