2006 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオファージゲノムに存在する新奇遺伝子・新機能遺伝子の探索と解析
Project/Area Number |
18570001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
定家 義人 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40000252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝井 計 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (70283934)
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Keywords | 枯草菌 / バクテリオファージ / 制限修飾系 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
バクテリオファージは特定の宿主細菌に感染すると、宿主染色体中に溶原化したり、宿主内で複製・増殖し最終的に宿主を溶菌させたりする。溶原化したプロファージ遺伝子はその後変異し、宿主に新たな機能をもたらすこともある。ファージDNA上の遺伝子にコードされた蛋白質の多くは、新奇で機能未知なものがほとんどであり、その中には、新たな機能・構造を有した有用蛋白質が発見されることも充分考えられる。新奇遺伝子の探索・解析を目指して本研究を行った。 枯草菌Marbarg株はSP10ファージの感染に対して耐性であるが、宿主染色体上の2つの部位に変異(nonA・nonB)を生じると、ファージの感染に感受性になる。この現象の解明を端緒として研究を開始した。 nonA・nonBのSP10ファージに対する作用機構を解析するために、SP10ファージゲノムの塩基配列決定を行った。ライブラリ作製のため、複数の制限酵素や超音波により染色体を切断した。それらをプラスミドベクターにクローニングし、塩基配列を決定した。決定した配列を整列化し連結させ、いくつかのコンティグを作成した。現在までに66のコンティグが得られ、全長約108kbのうち80%の79kbを決定した。Staphylococcus phage K ORFとの相同性がしばしば見られた。現在決定完了を目指している。 ファージの増殖を阻害している未同定のnonA変異は、枯草菌のプロファージSPβ約100kb領域内(約100遺伝子)の変異であり、その原因遺伝子の同定を試みた。SPβを段階的に欠失した枯草菌株を多数作製し、ファージに対する感受性を調べた。その結果原因遺伝子は少なくとも2種類存在し、一方はyonO遺伝子であることを突き止めている。yonO遺伝子産物は既知のアミノ酸配列との相同性のない、新奇遺伝子であった。今後機能解析を行う予定である。
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