2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 摂之 名古屋大学, 情報科学研究科, 講師 (30283469)
|
Keywords | 概日時計 / 概日リズム / 概日時計の進化 / ヒメツリガネゴケ / 遺伝子破壊 / 逆遺伝学的解析 |
Research Abstract |
概日リズムは昼夜の環境変化に対する普遍的な適応現象であり、自律的な振動機構「概日時計」の働きにより生じる。多様なモデル生物において、時計のコンポーネント蛋白質(時計蛋白質)をコードする「時計遺伝子」が分離され、それらの機能的な解析が精力的に行われている。植物ではアラビドプシスでの分子遺伝学的解析が進み、Myb関連蛋白質をコードするCCA1、LHY、PCL1、そして偽レスポンスレギュレーターをコードするPRRなどの時計遺伝子が分離され、解析されている。しかし、多様なグループを含む植物界のなかで、被子植物以外での解析は全くといっていいほど進んでいなかった。そこで、被子植物とは数億年前に分岐したコケ植物のひとつであり、遺伝子ターゲティングを適用できるために新しいモデル植物としても注目されているヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)を用いて以下の研究成果を得た。 1)コケの時計関連遺伝子ホモログの分離: 2006年度に限定公開されたヒメツリガネゴケ・ドラフトゲノム配列データベース(JGIによる)を活用し、アラビドプシスで分離された時計関連遺伝子群のコケ・ホモログを網羅的に同定し、該当cDNAと、該当ゲノム領域の分離を進めた。現在までに、CCA1/LHYホモログ遺伝子PpCCA1a、PpCCA1b、PCL1のホモログ遺伝子PpPCL1-PpPCL4、PRRsのホモログ遺伝子PpPRR1-PpRRR4などのホモログ配列の分離を行った。 2)コケの時計関連遺伝子群の機能解析: いくつかのコケ時計遺伝子ホモログの遺伝子破壊株を確立した(PpCCA1a、PpCCA1b、それぞれの一重遺伝子破壊株、両遺伝子の二重遺伝子破壊株、PpPCL1の一重遺伝子破壊株など)。PpCCA1a、PpCCA1bの機能については、発光リズムレポーター株をホストに用いた解析を進め、リズム発現の振幅低下などの遺伝子破壊による効果を観察した。 現在、こうした機能解析を可能な限り多くの遺伝子について試みている段階である。
|
Research Products
(1 results)