2006 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア一本鎖突出維持に関与する新しい蛋白質の探索とその機能解析
Project/Area Number |
18570005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上野 勝 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教授 (90293597)
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Keywords | テロメア / 分裂酵母 / ヒト細胞 / RPA / Tazl |
Research Abstract |
本年度はヒトRPAがヒト細胞のテロメアー本鎖突出の制御に関連するかどうかを調べる。我々はsiRNAによってRPA70をノックダウンすることに成功しているが、そのときのテロメア構造は正常であるという結果をすでに得ている。RPAは細胞分裂に必須であり、RPA70をノックダウンすると2から3日後に細胞の増殖が停止してしまう。テロメア構造に異常が出るにはRPA70の機能を阻害した状態で長い期間細胞を培養する必要があるかもしれない。そこで、本年度は核内のコードされているRPA70の発現をshRNAによってノックダウンすると同時に変異RPA70を発現させる技術の開発を試み、その第一歩として、以下の3つの実験を行った。 (1)shRNAによってRPA70の発現を抑制する技術の開発 RPA70をshRNAによってノックダウンするベクターが2種類売られているので、それを購入し、RPA70の発現を抑制するかどうかを調べた。コントロールベクターは安定にヒト細胞に導入できたのに対して、RPA70をノックダウンするためのベクターを導入したヒト細胞は生育できなかった。このことからRPAのノックダウンが効きすぎている可能性が示唆される。今後は、shRPAのターゲット配列を持たない野生型あるいは変異RPA70を発現させた状態で、同様の実験を行う必要があることがわかった。また、本研究室ではRPA70の発現をsiRNAによってノックダウンすることに成功しているので、そのときに使用したsiRNA用の配列と同じ配列をshRNA発現ベクターに組み込んだベクターを構築した。今後はこのベクターがRPA70の発現をノックダウンできるかどうかを調べる。 (2)RPA70を発現するベクターの構築 MycタグのついたRPA70を発現するベクターの構築に成功し、それをヒト細胞に導入して発現を確認したところ、Mycタグ付きのRPA70は発現することが確認できた。 (3)変異RPA70を発現するベクターの構築 (2)で作成したベキターに点変異を導入したベクターの構築に成功した。来年度はそれをヒト細胞に導入して発現を確認し、確認ができればそれを利用して、核内のコードされているRPA70の発現をshRNAによってノックダウンすると同時に変異RPA70を発現させる技術の開発に繋げる。
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