2006 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物における高度保存ノンコーディングゲノム配列の遺伝学的機能解析
Project/Area Number |
18570008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
櫻庭 喜行 独立行政法人理化学研究所, 個体遺伝情報研究チーム, 研究員 (00342791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 洋一 独立行政法人理化学研究所, 個体遺伝情報研究チーム, プロジェクト副ディレクター (40225678)
藤堂 剛 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (90163948)
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Keywords | noncoding / 保存配列 / メダカ / 脊椎動物 / ゲノム / DNA |
Research Abstract |
タンパク質をコードしていないのにも関わらず、ヒト-他種間で非常に高く保存されているDNA配列の機能を調べるため、我々は、2003年、ヒトとマウスのゲノム配列比較から、95%以上の同一性で500bp以上の一致があるnoncoding配列を444配列抽出した。これら配列の多くは、鳥類や両生類、魚類で保存されている事が分かった。魚類まで保存されているnoncoding配列には、なんらかの機能があるに違いないという予想のもと、本研究がスタートした。 最新の配列情報でヒトとマウスのゲノム比較を行うことで、保存配列の再抽出を試みた。この解析により508配列の抽出に成功した。今回新たに抽出できた配列は、210配列あり、前回との合計で628配列を得た。 この628配列について、詳細な情報解析を行った。遺伝子密度が低い領域に多く分布する事、発生や転写に関係する遺伝子の近傍に存在することなどが分かった。 種間の保存性について他種との比較を行った。ほぼすべての保存配列は、ほ乳類全般に存在する事がわかった。大部分は鳥類や両生類にも存在しており、10-20%くらいの配列は魚類でも保存されている事が分かった。しかし、無脊椎動物である、ホヤ2種、ショウジョウバエのゲノム配列もサーチしたが、見つからなかった。 上記情報解析の結果から、魚類まで保存されている高度保存配列のうち、ゼブラフィッシュ、フグ2種の計3種類すべての魚類まで保存されている配列については、30配列存在する事が分かった。これら30配列は、ENUによるメダカgene-driven法を用いた遺伝学的解析において、優先的に解析する事とした。 変異スクリーニングの準備として、ゲノムDNAおよびターゲット領域を増幅するためのプライマーを準備した。プライマーは、multiplex PCRの条件検討まで行う事ができた。
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