2006 Fiscal Year Annual Research Report
マントヒヒの父系制社会における近親交配回避のメカニズム
Project/Area Number |
18570030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
山根 明弘 北九州市立自然史, 歴史博物館・自然史課, 学芸員 (10359474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 俊孝 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (40094073)
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Keywords | マントヒヒ / 父系制 / 近親交配回避 / 血縁度 / ユニット外繁殖 / マイクロサテライト遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、哺乳類では極めてまれな社会システムである「父系制」の進化や維持において、「ユニット外繁殖」が不可欠であるとする、研究代表者の仮説を検証することを主たる目的としている。 本年度は、研究分担者である岩本が平成18年12月9日〜26日の日程で、サウジアラビアに渡航し、現地での共同研究者アーメッド・ブーク氏(National Wildlife Research Center研究員)とともに、1998年以降追跡を行っているタイーフ市郊外に生息しているマントヒヒ個体群の観察を行った。これにより当個体群の数は2年前に比べて増えているとの観察結果を得ている。研究代表者である山根は、平成19年2月20日〜3月17日の日程でサウジアラビアに渡航し、アーメッド・ブーク研究員とともに、タイーフ市郊外にて、マントヒヒの捕獲および行動観察を行った。その結果、12個体のマントヒヒの捕獲に成功した。捕獲した個体は、塩酸ケタミンによる麻酔の後、採血、計測およびマーキングを行い、麻酔から完全に覚醒した後、放逐した。特筆すべきことは、これまでの記録のなかで一番体重の重い個体(オス・21キロ)の捕獲に成功したことである。採血した血液はNWRCのラボに持ち帰り、各血液分画に遠心分離し、チューブに入れて保存した。マントヒヒは、CITESのリストIIにリストアップされている為、日本に血液サンプルを持ち帰る為には、輸出国(サウジアラビア王国)の輸出許可書が必要とされ、その許可書を得た後、サンプルを日本に持ち帰った。また、現地では、アラビア半島西南部におけるマントヒヒの生息調査も行い、将来的な研究のための、情報収集にも努めた。
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Research Products
(2 results)