2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞におけるテトラピロール分配・輸送の分子機構
Project/Area Number |
18570034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 建 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00242305)
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Keywords | テトラピロール / ヘム / 葉緑体 / 輸送タンパク質 |
Research Abstract |
植物細胞中のヘムは葉緑体やミトコンドリア、細胞質、ペルオキシソームに存在し、アポタンパク質と結合することにより機能する。また、テトラピロール中間体が葉緑体からのシグナルとして核の光合成遺伝子の発現を制御することが示されている。しかし、これらオルガネラへのテトラピロールの分配および輸送経路の詳細な機構は全く明らかではない。これまでに、高等植物のテトラピロールは葉緑体のみで合成され、その分配・輸送にはテトラピロール結合タンパク質(TBP)が関わっていることが予想されている。今回、我々は高等植物でのテトラピロールの分配および輸送機構の解明を目的とし、ヒトやマウスで報告されているテトラピロール結合タンパク質、p22HBP/SOULの、シロイヌナズナにおける相同遺伝子の解析を行った。 シロイヌナズナの細胞質型テトラピロール結合タンパク質(sTBP1〜3)について、詳細な解析を行った。sTBP1は葉で高い発現を示したが、sTBP2は根で主に発現している事が明らかとなった。sTBP1とsTBP2の組み換えタンパク質を作製・精製し、ポルフィリン類に対する結合特異性実験を行った結果、2つのタンパク質はヘム、プロトポルフィリンIX、およびMg-プロトポルフィリンIXジメチルエステルに対して、マイクロモル濃度以下の解離定数(Kd)で結合性を示した。ESRスペクトルを測定した結果、sTBP1とsTBP2は共に高スピンタイプのヘムを結合している事が明らかとなった。さらに、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のアポタンパク質とヘム結合型sTBP1,sTBP2を混合することで、HRP活性が再構成されたため、sTBPへのヘムの結合は可逆的である事が明らかとなった。以上の結果から、sTBP1とsTBP2は、テトラピロールキャリアタンパク質として適した性質を有しており、植物の異なる器官で機能することが明らかとなった。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] The CHLI1 subunit of Arabidopsis thaliana magnesium chelatase is a target protein of the chloroplast thioredoxin2007
Author(s)
Ikegami, A., Motohashi, K., Yoshimura, N., Takahashi, S., Romano, P.G.N., Hisabori, T., Takamiya, K. and Masuda, T
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Journal Title
J. Biol. Chem. 282
Pages: 19282-19291
Peer Reviewed
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[Journal Article] Induction of isoforms of tetrapyrrole biosynthetic enzymes, atHEMA2 and atFC1, under stress conditions and their physiological functions in Arabidopsis thaliana.2007
Author(s)
Nagai, S., Koide, M., Takahashi, S., Kikuta, A., Aono, M., Sasaki-Sekimoto, Y., Ohta, H., Takamiya, K., and Masuda, T.
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Journal Title
Plant Physiol. 144
Pages: 1039-1051
Peer Reviewed
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[Book] 光合成の科学2007
Author(s)
東京大学光合成教育研究会(池内昌彦, 佐藤直樹, 園池公毅, 田中寛, 箸本春樹, 増田建, 村田滋, 和田元)
Total Pages
291
Publisher
東京大学出版会
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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