2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 真紀 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 講師 (10332595)
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Keywords | 色素体 / 胚発生 / 老化 / 葉緑体 / 分化 / 植物 / シロイヌナズナ / 種子 |
Research Abstract |
素体は環状のプラスチド遺伝子を持つ植物細胞内小器官の総称である。色素体の機能は多岐に渡っており、葉緑体では光合成により光エネルギーを生体エネルギーに変換し、このエネルギーを利用して二酸化炭素から糖などの有機物を合成する。色素体は植物の生育環境や生育段階により分化・脱分化をおこない機能を変化させる。とくに老化葉では植物細胞死の進行とともに葉緑体がジェロントプラストへと分化する。本研究は機能未知の葉緑体タンパク質CDF1の機能解析により、色素体の機能転換による植物細胞の生死制御を解明することを目的としておこなった。昨年度までの研究により、CDF1の欠損が胚発生の異常を引き起こし、致死となることを明らかにし、その表現系がCdf1の過剰発現により相補されることを示した。本年度は、さらに、実際にCdf1が胚発生の時期に発現する遺伝子であることをプロモーターGUSアッセイにより証明した。すなわち、Cdf1のプロモーターおおよび、コード領域を含む約5kbのゲノム断片をレポーター遺伝子であるGUSの上流に連結し、シロイヌナズナに導入した。得られた植物体でGUSアッセイを行った結果、本因子が胚発生の球状胚から心臓型胚に移行する時期に強く発現していることが明らかとなった。また、Cdf1の相同性検索から、シアノバクテリアの相同因子がシャペロン様のドメインを有していることが示された。CDF1が複合体を形成している可能性が考えられた事から、CDF1の結合因子を酵母を用いたsplit ubiquitinシステムにより単離し、CDFB1-4(cdfl binding protein1-4)を得た。今後、これらの因子が実際に植物細胞内で相互作用するかを含め詳細な機能を明らかにしていく予定である。
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