2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報・遺伝子発現プロファイルと逆遺伝学を利用した葉緑体分裂制御機構の解明
Project/Area Number |
18570036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
島田 裕士 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (80301175)
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Keywords | ゲノム / 植物 / 発現制御 / 葉緑体 |
Research Abstract |
シロイヌナズナの遺伝子発現プロファイルから葉緑体の分裂因子であるARC3やFtsZと共発現している遺伝子群120個を選別し、それぞれの遺伝子破壊株をストックセンターより取り寄せた。それぞれのラインを自家受粉させて得られた種子から、PCRによってホモ変異体の選別を行なった。得られたホモ変異体の葉緑体の表現型(大きさ・細胞内の数)を葉組織の固定・単細胞化後光学顕微鏡下で観察する事により葉緑体の数・大きさが野生型と異なる変異体の同定を行なった。その結果、Atlg56050(GTP-binding protein)、Atlg26230(Chaperonin)の遺伝子破壊株において細胞内における葉緑体の数が減少しており、大きさが増加していた。これらはこの遺伝子が新規の葉緑体分裂因子である事を示唆していた。また、ARC3タンパク質との相互作用をYeast Two-hybrid systemを用いて解析を行なった。その結果Atlg56050(GTP-binding protein)はARC3タンパク質と相互作用する事が示された。これらの事よりAtlg56050は新規葉緑体分裂因子である事が示唆された。また、上記で取り寄せた遺伝子破壊株の中には、新規葉緑体分裂因子であるが一重変異体では葉緑体の表現型に変化が現れない事が考えられたので、既知の葉緑体分裂因子であるFtsZやARC3変異体との二重変異体の作成を掛け合せによって作成した。これらについては現在植物体を生育中である。
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