2008 Fiscal Year Annual Research Report
14-3-3を介したrolB遺伝子の発根および多面発現効果機構の解明
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18570043
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 伸和 Hiroshima University, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (50263744)
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Keywords | rolB / 14-3-3 / キナーゼ / 転写 / ノックダウン / 細胞周期 |
Research Abstract |
発根遺伝子rolBが示す発根および多面発現効果は植物14-3-3タンパク質を介していると考えられ、さらに当該14-3-3がターゲットとする植物(タバコ)タンパク質の候補として1種のキナーゼおよび3種の転写因子などのcDNAを取得している。本年度は、特にキナーゼ(NtSPAK)の研究について進展があった。 デキサメタゾン投与によってRNAiでNtSPAK遺伝子のノックダウンが行えるタバコ培養細胞BY-2形質転換株を作製した。このNtSPAKノックダウン株は増殖率が低下したので、アフィディコリンによる同調培養によって細胞周期関連遺伝子の転写状況を調べた。その結果、ノックダウン株では細胞周期、特にG2/Ml期移行が遅延することが分かり、その原因はサイクリンD2およびD3遺伝子(cycD2,D3)の転写時期が遅延するためであることが分かった。cycD2,D3はサイトカイニン投与によって転写促進されることが知られている。そこで、サイトカイニンによるcycD2,D3の転写促進にNtSPAKが介在するかを調べるために、サイトカイニン投与によるNtSPAKの転写状況を調べた。その結果、NtSPAKの転写はサイトカイニン投与によって促進されることが分かった。すなわち、サイトカイニンシグナルはNtSPAKを介してcycD2,D3の転写促進に働いているが推測された。 さらに、RlBとNtSPAKの関係を明らかにするためrolB形質転換BY-2細胞におけるNtSPAKの転写を調べたところ、促進が見られた。NtSPAKはサイトカイニンによって転写促進されるので、RolBはサイトカイニンシグナル伝達系に関与する可能性が示唆されたが、rolBの発根機能から考えると矛盾が生じる。 rolB形質転換BY-2細胞でのみで見られる現象である可能性もあり、今後はrolB形質転換植物体での検証を行う必要がある。
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Research Products
(3 results)