2006 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナCDKA遺伝子の植物の発生過程における機能解析
Project/Area Number |
18570046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
関根 政実 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助教授 (70226653)
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Keywords | 細胞周期 / 植物の発生制御 / 分子生物学 |
Research Abstract |
CDKAはシロイヌナズナには1遺伝子しか存在せず、そのT-DNA挿入変異体であるcdka-1は雄性配偶体における花粉第二分裂を遂行できず、本来雄原細胞が2個の精細胞に分裂する過程に異常を来して1個の精細胞的な精様細胞になる。この原因遺伝子がCDKAであることを証明するため、CDKA遺伝子のゲノム領域およびCDKAプロモーターにcDNAを連結したCDKA遺伝子をcdka-1に導入し、花粉第二分裂に異常が見られる表現型に対する相補性を評価して、原因遺伝子であることを明確に示した。また、CDKAの161番目のスレオニンはリン酸化による活性制御を受けることが知られている。そこで、161番目のリン酸化の生理機能を解析するため、リン酸化できないアラニンに置換したT161A変異体と、リン酸化を模倣するグルタミン酸に置換したT161E変異体を作製し、雄性配偶体形成過程における表現型に対する相補性を評価した。その結果、T161A変異体では相補できないのに対して、T161E変異体では相補することが明らかになった。現在、発芽後の細胞分裂におけるCDKAの機能解析を行うために、温度感受性変異型CDKAを作製して、cdka-1に導入している。酵母や動物の知見から、温度感受性を示すと予想されるアミノ酸を置換した変異型CDKAにGFPを融合させてCDKAプロモーターの制御下に発現するバイナリーベクターを作製した。GFPを融合したCDKA遺伝子をcdka-1に導入して、花粉第二分裂の異常を相補することからGFP融合CDKAが機能することを確認した。得られた形質転換植物体は制限温度下においてCDKA欠損型の表現型を示すことが期待され、今後この植物体を解析することによって発芽後のCDKAの機能を調べる計画である。
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Research Products
(4 results)