2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 弘 九州大学, 大学院農学研究院, 助教授 (70150399)
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Keywords | 精子 / 鞭毛 / 軸糸 / Tektin / Spetex |
Research Abstract |
本年度の計画は、ラット精子鞭毛におけるSpetex-1とTektin4の分子局在を形態学的および生化学的手法によって明らかにする事である。1.形態学的研究:我々は以前、Tektin4とSpetex-1が精子鞭毛の中片に局在することを光学顕微鏡レベルで証明した。精子鞭毛の中片におけるSpetex-1とTektin4の局在をナノスケールレベルで解析するために、精子鞭毛を超音波処理によって部分的に抗体透過性にした後に固定し、10nmイムノゴールドを用いた前包埋法により、抗原の分子局在を電顕によって観察した。その結果、Tektin4は外側緻密線維の皮質表層に局在し、一方Spetex-1は外側緻密線維に付属する衛星線維の構成成分であることが判明した。さらにTektin2についても同様の実験を行ない、Tektin2が外側緻密線維の全表層に結合していることが明らかとなった。2.生化学的研究:Tektin4およびSpetex-1はともにcoiled-coilモチーフを持っているため、重合体を形成することが推測される。色々な可溶化剤(Triton X-100,チオシアン化カリウム,尿素)で順次精子を可溶化する精子分画法によって、精子タンパク質を(a)形質膜・ミトコンドリア鞘分画、(b)軸糸分画、(c)外側緻密線維分画、および(d)線維鞘分画に分別し、これらをサンプルとしてイムノブロットを行ない、Tektin4,Tektin2,Spetex-1の分子局在を生化学的に解析した。その結果、これらの分子はすべて6M尿素によって可溶化され、外側緻密線維の成分であることが示唆された。この結果は形態学的データと一致した。
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