2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570059
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 弘 Kyushu University, 大学農学研究院, 教授 (70150399)
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Keywords | 精子 / 発生・文化 / 分子認識 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ディファランシャルディスプレイ法および酵母Two-Hybrid法を用いてクロ-ニングした新規分子Tektin4とSpetex-1を中心として、精子鞭毛を構築する分子骨格構造の一端を明らかにする事である。Tektin4は精子鞭毛の外側緻密線維(ODF)の皮質に存在し、Spetex-1は精子鞭毛の衛星線維の成分であることをすでに報告した。まず、Tektin4とSpetex-1の2分子間相互作用を培養細胞へのトランスフェクションによって解析し、2つの分子がパッチ状をなして培養細胞内の核周辺部でco-localizeすることを観察した。このことは、これら2分子が酵母内だけでなく、培養細胞内でも相互作用することを示唆している。食虫類スンクスの精子鞭毛は、ラット・マウスと異なる特徴的な衛星線維を持っている。スンクス精巣からSpetex-1遺伝子をPCRおよびRACE法によってクローニングし、テット・マウスとの比較を行うことを試みた。これまでに全長1400base遺伝子の内約800baseをクローニングした。アミノ酸比較とよって、その配列はラット・マウスよりもヒトに似ていた。また、酵母Two-Hybrid法を用いた遺伝子スクリーニングによって、ODF周辺に局在するTektin2および鞭毛中片ミトニンドリア鞘内側に局在するTektin5と相互作用する可能性がわる候補遺伝子を複数クローニングした。これら分子の精子内局在を明らかにする事によって、精子鞭毛を形づくる分子ネットワーク研究のさらなる進展が期待できる。
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