2006 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ微小脳における性的二型神経回路網とその機能の解明
Project/Area Number |
18570065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
木村 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80214873)
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Keywords | 昆虫 / 行動学 / 脳・神経 / 遺伝子 / ショウジョウバエ / 性行動 / 性決定 |
Research Abstract |
本研究では、ショウジョウバエ微小脳の高次中枢神経回路網に注目し、構造上の性差の存在を明らかにし、性行動における機能を解明することを目的とする。Fruitless(Fru)タンパクを発現する神経細胞群は、雄の交尾行動を制御する神経回路網に関わっていると考えられる。このFru発現ニューロン群がどのような回路網を形成しているか明らかにするため、遺伝子発現神経細胞の形態および投射領域を網羅的に調査し、Fru発現ニューロン群の脳地図作成を進めた。Fru発現ニューロン群でGa14を発現する系統としてNP21系統を用い、NP21(Fru)発現ニューロン群の特定のsubsetをGFPラベルするためMARCM法を利用した。抗GFP抗体とneuropile特異抗体を用いた二重蛍光染色をおこない、共焦点レーザー顕微鏡を用いて3次元構築し、特定のクラスターの神経細胞群が脳のどの領域に投射しているか調査した。脳内におよそ500対のFru発現ニューロンが存在し、それらがおよそ50程度のクラスターに分類できることが明らかになった。現在までに、雄において7割程度のFru発現ニューロン群の投射パターンを同定することができている。その結果、1)雄特有のニューロン群および2)雌雄差のあるニューロン群を特定することができた。これら同定された性的二型神経細胞について、中枢投射領域のどこに入力部位があり、どこが出力部位となっているか明らかにするため、前シナプス領域に蓄積されるシナプトタグミンをヘマグルチニン(HA)で標識したタンパクを性的二型神経細胞群に強制発現させ、HAの蓄積部位を抗体染色する必要がある。このための系統作成を終え、投射領域のうちHA標識シナプトタグミンの蓄積がある出力部位と、蓄積がない入力部位を特定できることを確認した。今後、このシステムを使い、性的二型神経細胞群の入出力部域の特定を行う。
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Research Products
(3 results)