2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570070
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
植木 龍也 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10274705)
|
Keywords | ホヤ / バナジウム / マイクロアレイ / 酸化還元 / グルタチオン / システイン |
Research Abstract |
平成19年度はスジキレボヤVanabin2の金属結合部位のより詳細な構造・機能解析と、酸化還元反応の解析を行った。また、昨年度実施に至らなかったカタユウレイボヤのマイクロアレイを利用した遺伝子の網羅的同定、酸化還元因子の定量を行った。 1.金属結合能に大きな影響を与えることが明らかになったVanabin2のアミノ酸残基について、さらにアラニン以外のアミノ酸へ置換した一連の変異体を作成し、金属結合能への影響を調べた。CDスペクトル解析によってタンパク質の立体構造および金属結合部位の構造解析を行った。その結果、64番目のヒスチジンの近傍に位置するリジン残基が高親和性金属結合に重要であることが分かった。一方、これまで調べた限りではシステイン残基は結合に必須ではなかった。 2.野生型Vanabin2を用いて、バナジウムの酸化還元反応とVanabin2のシステインの酸化還元反応との関係をin vitroで調べた。その結果、Vanabin2は五価バナジウムの還元反応を大きく促進することがわかった。この反応過程でVanabin2のシステイン残基に関する反応中間体の存在が示唆された。 3.カタユウレイボヤのマイクロアレイを利用して、バナジウム添加に応答する遺伝子を網羅的に同定した。基本的な糖代謝経路は大きく変動しなかったが、ペントースリン酸経路の酵素群の有意な変動が認められた。またグルタチオン代謝系および幾つかの金属輸送体の発現変動が見られた。
|
Research Products
(9 results)