2006 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の活動・睡眠・生物リズムを制御する行動遺伝子の生理機能
Project/Area Number |
18570076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
霜田 政美 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域制御剤標的遺伝子研究ユニット, 主任研究員 (80344000)
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Keywords | サーカディアンリズム / ショウジョウバエ / 生物リズム / 睡眠 / 行動遺伝子 / 脆弱X症候群 / FMR1 |
Research Abstract |
1.PDFニューロン特異的強制発現系統の作製と行動解析 動物や昆虫の活動・睡眠リズム形成に関わる調節遺伝子の同定を目的として、ショウジョウバエGAL4-UAS遺伝子強制発現変異体の大規模スクリーニングにより抽出した遺伝子の絞り込み(二次スクリーニング)を実施した。具体的には、一次スクリーニングで得られた候補遺伝子のUAS挿入系統(GS系統)と脳の時計細胞特異的に遺伝子発現を誘導するPDF-GAL4系統を交配し、子世代(F1)の中からpdf-GAL4:UAS遺伝子を持つ個体を選抜して活動リズムの測定を行った。その結果、活動リズムが長周期化又は無周期化するGS系統を約90ライン選抜できた。現在、これらの遺伝子について解析を進めている。 2.in vivo Luciferaseレポーターアッセイ 選抜した遺伝子の生理機能を調べるために、生物時計の振動をモニタリングするためのレポーターアッセイ法を検討した。時計遺伝子timelessのプロモーター領域にホタルの発光タンパク質Luciferaseの遺伝子を連結し、トランスジェニックハエを作製した。このハエにルシフェリンを投与し、フォトンディテクターを用いて発光量を測定した。その結果、生きたハエを用いて生物時計の振動をリアルタイムでモニタリングできることを確認した。 3.FMR1遺伝子の生理機能解析 先の研究課題において活動リズムとの関与を明らかにしたFMR1遺伝子について解析を進め、脳の時計細胞でFMR1遺伝子発現量が増加すると周期が遅延すること、FMR1欠損は羽化リズムの位相に影響を与えないことを明らかにした。また、FMR1遺伝子ノックアウトのバックグラウンドで、時計細胞特異的にFMR1遺伝子を回復させたトランスジェニック系統を作製した。現在、この系統を用いて活動リズムや睡眠がレスキューされるかどうか詳細に検討中である。
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Research Products
(2 results)