2007 Fiscal Year Annual Research Report
二次共生による葉緑体獲得に伴うクロララクニオン藻の"植物"への適応進化の研究
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18570084
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石田 健一郎 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (30282198)
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Keywords | クロララクニオン藻 / ケルコゾア / 分類 / 分子系統 / 二次共生 / 生活環 / 進化 / 微細構造 |
Research Abstract |
クロララクニオン藻における二次共生後の植物化過程の理解を進めるため,細胞形態、微細構造、生活環等の多様性の調査を未同定培養株を中心にさらに進めた。野外採集はパラオ共和国、宮城県沿岸で行ない、クロララクニオン藻1株を含む5株の新規ケルコゾア愛物の培養株を確立した。これらについては今後形態観察、分子系統解析を実施する予定である。分子系統解析もさらに進め、クロララクニオン藻10株について新たに28SrRNA遺伝子のほぼ全長配列を決定し、昨年までに取得した18SrRNA遺伝子の配列と連結し複合分子系統解析を行なった。この結果これまで不明であった属間の系統関係が一部明らかとなった。さらに、昨年作成した無色ケルコゾアの培養株3株について新たに18SrRNA遺伝子の配列を決定し、分子系統解析を行った。3株のうち1株(YPF610)はこれまで記載されていない新しい生物であることが示唆された。そこで、YPF610株の微細構造観察に着手した。 2005年に独自に採取確立したケルコゾア生物の培養株(YPF502株)の形態観察および18SrRNA遺伝子の配列決定を行ない、イギリスのCavalier-Smithらのグループと共同で、形態と分子系統に基づくケルコゾア生物群の網羅的で大規模な分類体系の整理を行ない、論文を作成中である。 クロララクニオン藻の高次分類体系を構築するため、細胞分裂様式の観察にも着手した。
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