2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
原田 浩 千葉県立中央博物館, 自然誌歴史研究部, 上席研究員 (60250148)
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Keywords | 地衣類 / ハリガネキノリ属 / 分類 / 生物地理 / 東アジア / 日本 / 中国 / 雲南 |
Research Abstract |
日本産地衣類を生物地理学的に見ると多様な分布パターンが認められ(原田2001),きわめて多元的であることが判る.このうち,冷温帯に産する地衣類に多い,東アジア型分布,あるいは東アジア・北米東部型分布を示す分類群については広く注目を集めてきた.一方,亜高山帯には,東アジアに分布中心があるなど,生物地理的に興味深い分類群が多いが,そういった観点で注目されなかった.本研究では,日本の地衣フロラ成立過程を明らかにする目的で,日本の亜高山帯の主な要素であるハリガネキノリ属について,日本と周辺の東アジアの分類学的実体解明を試みた. 今年度は,東アジアにおいて本属が最も多様と見られる雲南省(Wang & Harada 2003)において,現地調査を行い,資料を収集した.また,本州中部等においても調査を行った.これらの収集標本および既存の標本について,形態および含有成分を検討を進めている. 日本産の"オニノヒゲ"("B.bicolor")と"オオオニノヒゲ"("B.confusa")について,従来の知見をまとめ,予備的な分類学的再検討を試みた(Harada 2007).また,富士山産のいわゆる"オオオニノヒゲ"("B.confusa")が,フジキノリ(B.lactinea)の変形である可能性を示した(Harada & Wang 2006).中国雲南省からB.fastigiataを新種記載した(Wang et al.2006).
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