2006 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の受精および発生に関わる糖タンパク質の構造機能解析
Project/Area Number |
18570103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中野 實 千葉大学, 理学部, 教授 (80009604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 直人 千葉大学, 理学部, 助教授 (80212314)
荒木 慶彦 順天堂大学, 医学研究科, 助教授 (70250933)
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Keywords | 透明帯 / 哺乳類の卵子 / 糖タンパク質 / 糖脂質 / 体外受精 / 精子・卵子間結合 / 胎盤 / 免疫回避 |
Research Abstract |
1.ブタとウシの精子と糖脂質アナログの結合実験 アルキル鎖の末端に単糖を持つ6種類の糖脂質アナログを付着させたプラスチックプレートに精子を加え、洗浄後結合精子数をカウントする、再現性の良い方法を開発した。この方法でも、ブタ精子はβガラクトースに、ウシ精子はαマンノースに最も多く結合した。従って、精子は糖タンパク質のタンパク質骨格にではなく、糖鎖の非還元末端に結合するという、我々の既報の結果を再確認することができた。 2.ブタとウシの精子・卵子間結合実験 新鮮な卵巣から採取直後の未成熟卵子及びこれを受精可能な状態にまで成熟させた卵子への、ブタとウシ精子の同種間と異種間の結合を調べた。その結果、未成熟卵子への結合は種選択性があるが、成熟卵子への結合は種選択性が消失することがわかった。レクチン染色したところ、成熟の課程で透明帯糖タンパク質の糖鎖の分布状態が変わり、ウシ精子はブタ精子とほぼ同数ブタ卵子に結合するようになるということがわかった。 3.組換え体ウシ透明帯糖タンパク質の精子結合活性 バキュロウィルス/昆虫細胞系でウシ透明帯糖タンパク質三成分(ZPA, ZPB, ZPC)を発現させ、ウシとブタの結合性を調べた。この発現系では主に高マンノース系の糖鎖を持つ糖タンパク質が生成するため、組換え体はブタの精子へは結合しなかった。ウシの三成分も単独ではウシ精子に結合せず、ZPBとZPC両者が共存する場合のみウシ精子に結合した。 4.妊娠時に胎盤に発現する糖タンパク質の糖鎖構造 ウシの胎盤細胞の培養上清について各種クロマトグラフィーを順次行い妊娠関連糖タンパク質(PAG)を精製した。この糖タンパク質からN結合型糖鎖を切り出し、蛍光標識後二次元マッピング法とマススペクトルで構造をしらべたところ、予想よりかなり分子量の大きい新規な糖鎖であることを示唆する結果が得られた。 5.PAGとPSG(ヒト妊娠特異的糖タンパク質)の抗体の作製 現在両抗体を作製中である.
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Research Products
(2 results)