2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福山 恵一 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (80032283)
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Keywords | 光合成色素 / ビリン還元酵素 / フェレドキシン / 反応中間体 / ビリベルジン |
Research Abstract |
高等植物、紅藻やラン藻において、ビリン色素は光合成色素としてだけでなく、光受容色素としても用いられている。ヘムオキシゲナーゼ(HO)によるヘムの開環で生成したビリベルジン(BV)が、フェレドキシン依存性ビリン還元酵素によって様々な箇所で還元されて、多様なビリン色素へと導かれる。ビリン還元酵素は、共通してフェレドキシン(Fd)から供給された電子を使うが、各々はBVの異なった箇所を立体特異的に還元する。本研究で取りあげたPcyAは、BVの2箇所を、立体特異的に、しかも順序正しく還元するという特徴を持っている。平成18年度までに行ったPcyA-BV複合体のX線結晶解析から、PcyAはU字型にしたBVを、BVのわずかな非対称を厳密に区別して捉えていることを明らかにした。本年度、PcyAの反応機構をより明確にするため、反応中間体である18^1,18^2-dihydro-BV(18BV)およびそのアナログ(BV13)を有機化学的に合成し、PcyAと各々の複合体のX線結晶解析を行った。PcyA-18BVおよびPcyA-BV13複合体の結晶構造を各々1.48Åおよび1.04Å分解能で決定した。目立った構造変化はGlu76で起っており、Glu76はTyr238とAsn62と新たに水素結合を形成していた。このことは、Glu76が基質の還元順序をコントロールしていることを示す。一方、PcyAへの電子供与体であるFdとの相互作用を調べた。条件によっては、弱いながらもPcyAとFdが複合体を形成していることを実験的に示すことができた。
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Research Products
(2 results)