2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570107
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
月向 邦彦 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特任教授 (10023467)
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Keywords | 放射光 / 真空紫外円二色性 / タンパク質 / 変性状態 / 二次構造解析 / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
広島大学放射光科学研究センターの真空紫外円二色性(VUVCD)分散計を用い,以下の3点について研究した。[1]蛋白質・脂質相互作用系の解析:α_1-acid-glycoprotein (AGP)とリン脂質の相互作用を調べた。AGPはリン脂質との混合によりα-ヘリックスは11%(2本)から50%(7本)に,β-ストランドは40%(11本)から10%(4本)へと変化し,脂質との相互作用により大きな二次構造変化が誘起されることがわかった。さらに,昨年度開発したニューラルネットワーク法により二次構造部位を予測した結果,これらの構造変化は主としてリガンド結合部位で起こっており,構造と機能との関係について重要な知見が得られた。[2]アルコール変性状態の構造解析:6種の蛋白質のVUVCDスペクトルを,種々の濃度のトリフルオロエタノール(TFE)とメタノール(MeOH)水溶液中で170nmまで測定した。すべての蛋白質で70%以上のα-ヘリックが形成されているものの,MeOH中では蛋白質によってはβ-ストランドが20%程度形成されており,アルコール変性は他の変性構造と大きく異なることがわかった。[3]蛋白質・蛋白質系(アミロイド構造)の解析:β_2-microglobulin (β2-m)とその2本の断片ペプチド(#21-31・#21-29)をアミロイド化した後,175nmまでVUVCDスペクトル測定した結果,β-シート構造の形成が観察された。現在,海外研究協力者であるR.W. Woody教授とともに,詳細な二次構造解析を行なっている。 これらの結果は,VUVCD分光法が蛋白質構造解析に対して有用な情報を提供することを示している。
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Research Products
(13 results)