2007 Fiscal Year Annual Research Report
α-カテニンによる細胞外マトリックスへの接着安定化機構の解明
Project/Area Number |
18570112
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小澤 政之 Kagoshima University, 大学院・医歯総合研究科, 教授 (90136854)
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Keywords | カドヘリン / カテニン / 細胞・組織 / p120 / 細胞表面 / 分子認識 / シグナル伝達 / 制御 |
Research Abstract |
α-カテニンの発現がいかなるメカニズムで細胞がどんどん上に盛り上がって増殖してしまうのを抑えるのかを明らかにする目的で以下の実験を行った。1)α-カテニン陰性細胞とα-カテニン発現細胞の間の各種遺伝子の発現の差異をDNAマイクロアレイにより調べたところ、幾つかのマトリックスメタロプロテアーゼの転写がα-カテニン発現細胞で減少していることを見出した。そこで、Real-time PCRを用いて確認を行ったが、結果はネガティブであった。2)また、マトリックスメタロプロテアーゼの阻害剤をα-カテニン陰性細胞に添加し、細胞が盛り上がって来るのを抑える事が出来ないか調べたが、全く効果がなかった。3)さらに、細胞の細胞外マトリックスへの接着に関連する各種インテグリンあるいは細胞外マトリックス成分の発現に関して変化は認められなかった。したがって、細胞外での変化ではなく、細胞内での変化が、細胞が盛り上がって増殖するか否かを決定しているものと考えられた。アクチン骨格系は細胞の形態ばかりでなく、細胞の運動性さらには増殖性にも強い影響を及ぼす。4)そこで、アクチン骨格系に働く各種薬剤を細胞に投与してその効果を調べた。するとRhoの関与が示唆されたので、ドミナント・ネガティブ型Rho、あるいは活性型Rho、ドミナント・ネガティブ型RhoGAP等を細胞に導入したが、直接の関与を証明する結果は得られなかった。5)次に、α-カテニン上のどの部位がこの活性に必要なのかを明らかにすべく実験を行った。その結果、アミノ末端側400残基、あるいはカルボキシ末端の300残基が必要である事が明かとなった。現在この線に沿った研究を展開中である。
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