2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570118
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
岩下 淑子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (50111498)
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Keywords | 脂質ラフト / Tリンパ球 / シグナル伝達 / 細胞膜 |
Research Abstract |
脂質ラフトとT細胞機能の関連を「加齢に伴うT細胞の活性化能の低下」に着目して解析した。T細胞の機能発現には抗原受容体(TCR)を介したシグナル伝達が重要な役割を担っている。このTCRシグナリングは細胞膜ラフトに集積する分子群によって「正」「負」の制御を受けている。そこで、マウスT細胞を用いてこれらの分子の加齢変化を解析した。その結果、「正」の制御に関わる分子群は明らかな加齢変化を示さなかったのに対し、「負」の制御に関わるラフト局在のアダプター分子であるPAG(phosphoprotein associated with glycosphingolipid-enriched microdomains)が老齢マウスの細胞で著しく減少していることが明らかになった。このPAGの減少はT細胞の増殖能の低下と並行していることから、加齢に伴うT細胞の機能低下と関連している可能性が示唆された。また、PAGの減少がT細胞に特有の変化であること、および、mRNA発現量の低下がPAG減少の原因の一つであることが示された。さらに、PAGの減少により、活性化初期反応を「負」に制御するチロシンキナーゼCskのラフトへの集積量の低下が認められた。このことから、老齢マウスT細胞ではCskによるSrc-ファミリーキナーゼ活性の調節に異常を来している可能性が考えられる。以上の結果から、ラフトにおける「負」の制御系の変化が加齢に伴うT細胞機能低下の原因のひとつであることが示唆された。
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Research Products
(4 results)